鉄道ダイヤを決める人はなぜ「スジ屋」と呼ばれる?
3月はJR・私鉄が各社一斉にダイヤ改正を行う季節です。
人の動きが変わったり、新しい路線が開通したりするため、毎年3月にダイヤ改正が行われることが恒例となっていますが、以前は10月に改正されることが一般的でした。
さて、各鉄道会社でダイヤを決める人は、「スジ屋」と呼ばれることがあります。いったいなぜ、「スジ屋」と呼ばれるのでしょうか。
答え:「ダイヤグラム」という線図を書くから
鉄道各社でダイヤを決める人が「スジ屋」と呼ばれるのは、「ダイヤグラム」という線図を書くからです。
ダイヤグラムとは横軸(X軸)に時間を、縦軸(Y軸)に距離をとり、Y軸上に実際の距離に合わせて駅をプロットしたグラフです。
下りの起点駅を横軸と縦軸の交点(数学的に表すと原点)に置けば、下り列車は右肩下がりの、上り列車は右肩上がりのグラフになります。線の傾きが列車の「速度」を表し、停車している時は線は水平になります。
小学生の頃「速度〇km/hの点Pが移動して…」なんて問題によく出会いますが、まさにダイヤグラム上では列車が点Pとなって移動していきます。
このように、ダイヤグラム上に鉄道の実際の動きに合わせて”線(スジ)”を書いていくことで、いつ、どの列車が、どの位置にいるのかが一目で分かります。
例えば、下り線と上り線のグラフが交われば、その時間、その位置で列車同士が「すれ違う」ことになります。複線なら問題ありませんが、単線なら駅間ですれ違えません。そのため、上下線双方の線路がある駅(交換駅、と言います)でグラフが交差するように調整します。
ダイヤ作成の際には、列車のすれ違い以外にも考慮する必要があることがたくさんあります。「時間帯による需要」や「列車の種類による速度」、さらには「保守点検用に空けておく線路」などを加味しながら、人の手でダイヤを組んでいきます。
通勤時に普段なにげなく乗っている列車のダイヤは、このようなダイヤグラム上での複雑な計算のもと組まれています。
そう考えると、少しくらいダイヤが乱れても、「ああ、今はダイヤグラムで考えるとどうなっているのだろうか」と、ちょっと暇つぶしができるのではないでしょうか。
参考サイト
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1802/20/news042_2.html
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2022/4/22 16:00 |
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