太陽の黒点はなぜ黒く見える?
身の回りにある黒い点と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか?
ホクロ、シミ。人体についている黒い点といえばこれらの2つだろう。
壁や床だったら、シミや黒カビと悪いイメージに結びつけてしまう。
バナナの皮についている黒い点はシュガースポットといって、果実が熟した時に現れるので食べごろという表れである。
もう少し視野を広げて宇宙に目を向けてみよう。
黒い点といえば太陽の表面に現れる「黒点」だろう。英語ではサンスポットという。
太陽の表面は約6000K(ケルビン)と非常に高く、一方で黒点は約4000Kで表面と比べると低い。
しかも黒点は黒く見えるのであって、厳密には黒くないのだ。
国立天文台などが撮影した黒点のズームアップ画像を見てみると、一番暗く写っている中心部と、その周囲は筋状の構造をなしている比較的明るめの半暗部で黒点は成り立っている。
※ケルビン…絶対温度の単位で、セ氏温度との関係は0K=-273.15℃
黒点が現れるのは太陽磁場が原因と考えられているが、まだ確固たる理由は特定されていない。
有力説としてあげられているのは、「太陽磁場が対流運動を抑えるようになって、エネルギーの輸送が妨げられて表面温度が下がって、黒点が登場する」ということである。
すなわち周辺より表面温度が下がることで、発生エネルギーの縮小で暗くなっていって、観測した科学者たちはそれを「黒点だ」と認識した。
もちろんこの説がくつがえされる可能性はある。新しい発見があれば、認識も変わるという展開は今までにも起きてきた。
太陽観測はいまだに継続されており、黒点が生じる原因と考えられている磁場の変化などを見ている。
最後に黒点と関連する2つの説を紹介しよう。
太陽の黒点が占めている面積の増減と世界経済の景気が共鳴している景気循環説と、太陽の黒点周期と世界で起きている地震がリンクしているという地震活動説だ。
ただしいずれも非科学的な要素があり、相対的にみても適っているかどうかは怪しい。
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2021/12/11 16:00 |
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