ペットのヒヤリハットを探せvol.6
【どこが危険?バスルーム編】
SNSや動画サイトなどで人気の「ペットさんほのぼの動画・写真」の中には、ペット、特に猫が飼い主の入浴の際に一緒にバスルームについてきて浴槽の蓋の上に乗ったり、バスルームの扉の隙間に顔や上半身を挟んでいたりなどという光景が結構あります。
この拙イラストでは、その大きく分けて2種類ある「バスルームでのほのぼの猫動画・写真」ネタを再現しておりますが、実は矢張りヒヤリハット事例というべき要素があります。それは、どの点でしょう?
1,猫が、飼い主の入る浴槽の蓋の上に乗っている点。
2,もう1匹の猫が、バスルームの扉の隙間に挟まっている点。
3,1と2の両方。
・・・正解は、3の「1と2の両方」です。なぜどちらもヒヤリハット事例なのかについて、見ていきましょう。
まず「猫が飼い主の入る浴槽の蓋の上に乗る」光景の危険性についてです。こうした動画や写真の中には、猫がお湯を嫌がらずに触ったり舌を付けて飲んだりする光景を収めたものもよくあり、「お湯を嫌がらないなんてキレイ好きな子」などのコメントもよくされています。
また、飼い主さんが側についているから安心、などの断り書きがされていることもあります。しかし、本当に「飼い主さんがついていれば」安心かというと、そうとは言い切れないのが現実です。
飼い主さんと一緒にバスルームに入るのが習慣化してしまうと、そこは入ってよい場所であると学習して猫だけでバスルームに入ってしまう危険もあります。
そうした際、バスルームの蓋がずれて水またはお湯の入った浴槽に転落し、溺れたり火傷をしたりしてしまう危険があります。
「猫は賢く動きが機敏な種族だから、浴槽に転落などしない」というのは、過信であり猫に対するひいきの引き倒しというものです。
また、蛇口のタイプによってはいたずらして間違って熱湯を出してしまい、火傷をする危険もあります。
浴槽を空にしている時には猫が入っても安心だ、というお声も多く、実際空の浴槽に猫が入っている動画や写真も、「ペットさんほのぼの画像」としてもてはやされることも結構ありますが、これもヒヤリハット事例というべき点があります。
なぜなら、人間用の石鹸(固形・液体)やシャンプー・リンス、入浴剤や洗剤など(バスルームの床や浴槽の底などに残留する成分もあります)の誤飲誤食による中毒事故の危険があるからです。
そのため、室内でペットと暮らしておいでの皆さんにおかれましては、ペットをバスルームに入れないようバスルームの「室内戸締り」はきちんとしておく習慣を心掛けたいものです。
バスルームの「室内戸締り」といえば、もう一つのヒヤリハット事例である「猫がバスルームの扉に挟まって、しばしば寝てしまっている(いわゆる寝落ち)光景」も挟み事故の原因になり、ほのぼの癒し光景としてもてはやしている場合ではありません。
挟み事故を防ぐためにも、バスルームの扉はきちんと閉めておくのも猫への献身的な愛です。
余談ですが、こうした「ペットの事故に注意」系の記事をきちんと書いておいでのペットニュースサイトは結構ありますが、一方でその同じペットニュースサイトで、明らかに「ヒヤリハット事例」でしかない「ペットさんほのぼの癒し画像」をSNSで人気があるという理由で無批判無反省にポジティブに紹介してしまっているケースを見かけます。一貫性のない態度であるといわれても仕方がないでしょう。
<参考サイト>
猫が危ない!猫の身近に潜む猫にとって危険なゾーン
https://home.kingsoft.jp/news/amusing/necoichi/7261.html
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2021/7/9 16:05 |
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