モミジ院長のリカバリー日記第147回「お米」
先日、院長室の前の廊下でひっくり返ってもがいている小指の先ほどの大きさの虫を見つけた。前日、大雨で風も強かったため、どうやら病院内に迷い込んだらしい。拾って、逃がそうとしたが、うまく歩けず前に進まない。このままでは集団のアリに殺されてしまう。
よくよく見ると、長いあごがノコギリ状になっている。これはノコギリクワガタの赤ちゃんか。歩けないが、長いあごをパッと張り出し僕を威嚇する。たまに噛むが、全然痛くない。なんだかその県気な振る舞いをみて、可愛くて仕方がなくなり怪我が治るまで院長室で世話をしようと思った。
院長室にあるグッズを使って、赤ちゃんクワガタが生活できる空間を作った。お皿のなかに拾ってきた木とはっぱを入れて、少しおがくず風にしてみたら何だか居心地よさそうにしている。食べるものも何もないので、砂糖水を湿らせて手のひらに乗せて頭をさすると、美味しそうに飲み始めた。半日ほどすると、噂を聞き付けた心優しい職員がクワガタ用のゼリーを買ってきてくれて、それをチューチューしながら次第に元気さを取り戻した。
その日、当直だったので、丸1日観察することができた。外気は30度のためクーラーをつけずにはいられなかったので、26度前後で室内を保ったが、それでも赤ちゃんには寒かったのか、縮こまって固まってしまった。これはいけない、と思い、暑くて仕方なかったが、クーラーをつけるのはやめた。赤ちゃんクワガタも次第に元気を取り戻した。夜中じゅうゴソゴソしていた。
深夜、机に座って作業をしていると、ときどき、こちらを見ている。
うーむ。これはもしや、僕を親と勘違いしているのではないか。クイズで覚えた知識だが、これこそ「インプリンティング」ではないのか。冷静な方は「昆虫にそんなもんないだろ」とすぐに突っ込まれそうだが、私にはそう感じてしまうぐらい、じっと見ているのだ。よし、元気になってもう少し大きくなったら森に帰そう、と誓った。
テーマ問題【お米②】
問題 9 米を使ったベトナム料理で、平たい麵は「フォー」、では生春巻きを何という?
問題10 昔からよく聞くことわざで、「一俵の米俵には何人の神様が乗っている」という?
問題11 アジアの稲には三つの系統があるが、日本型の「ジャポニカ」、インド型の「インディカ」とインドネシア型の何?
問題12 植物の細胞組織に充填する非結晶含水珪酸体のことで、稲作の起源などを解明するのに役立つものといえば?
問題13 「大正の米騒動」といえば1918年の出来事、ではピナツボ火山の爆発による記録的な冷夏のせいで生じた「平成の米騒動」といえば西暦何年の出来事?
問題14 コメの調整の過程で、「籾摺(もみすり)」と「選別」の間にあたる、籾から籾殻や粃(しいな)を取り除く作業を何と言う?
問題15 金沢市の郷土料理「ハントンライス」の「ハン」とは「ハンガリー」のこと、では「トン」とは何のこと?
問題16 ドイツや北欧で広く親しまれている、米を牛乳で炊きシナモンでの香り付けと砂糖やジャムで甘くして食べるライス・プディングといえば何?
正解【お米②】
問 9 ゴイクオン(お好み焼きは「パインセオ」、南部で食べる麺類を「フォーティウ」という)
問 10 7人(一瞬、「七福神」のこと?と思うが、そうでもないらしく、農家などで聞く話の1つには「土、水、風、虫、雲、太陽、作る人」を指すのだとか。お米を作ることの難しさと大切にしなければいけないという意味。漢字の「米」=「八十八」となったのも、米作りは88の工程があり、その大変さを表しているという説もある。「お米を残すと目がつぶれる」など。)
問 11 ジャバニカ(ジャポニカは短粒種、インディカは長粒種、ジャバニカは大粒種)
問 12 プラント・オパール
問 13 1993年(平成5年)
問 14 風選(ふうせん、「パーボイル」⇒「脱穀」⇒「ふるい」⇒「乾燥」⇒「籾摺」⇒「風選」⇒「選別」⇒「貯蔵」⇒「精白」⇒「精選」)
問 15 マグロ(ハンガリー語で「マグロ」を「トン」という、ケチャップで味付けしたバターライスの上に半熟の薄焼き卵と白身魚を乗せ、タルタルソースをかけたお米を使った料理)
問 16 ミルヒライス
ジャンル | モミジDr.のリカバリー日記 |
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掲載日時 | 2021/7/1 16:00 |
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