惑星の英語名はヨーロッパ神話由来、では日本語名は?
太陽系の惑星は太陽から近い順に、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星。英語ではマーキュリー(Mercury)・ヴィーナス(Venus)・アース(Earth)・マーズ(Mars)・ジュピター(Jupiter)・サターン(Saturn)・ウラヌス(Uranus)・ネプチューン(Neptune)。
惑星の英語名は、地球を除けばローマ神話やギリシャ神話に登場する神々の名前に由来している。
マーキュリーはローマ神話の商業・運送業・盗みやいたずら業(※)の守護神・メルクリウス(Mercuris, 英語圏ではマーキュリー<Mercury>)からとっている。
※盗みやトリックスター(神話の世界では秩序を破るいたずら者)の守護神であることはイメージダウンかもしれないが、英語辞書などに記載されているので記述した。
ヴィーナスはローマ神話の愛・美・性・生殖を象徴する女神ウェヌス(Venus)、マーズはローマ神話の戦争を司る神マルス(Mars)、ジュピターは空を操ることができるローマ神話の主神ユピテル(Jupiter)、サターンはローマ神話で農耕・収穫を司る神サートゥルヌス(Sāturnus, 英語圏ではサターン<Saturn>)、ウラヌスはギリシャ神話の天空神ウーラノス(Uranus)、そしてネプチューンはローマ神話で海を司る神ネプトゥーヌス(Neptunus, 英語圏ではネプチューン<Neptune>)に由来している。
ちなみにアースは古い英語で「大地・土壌」を意味するeorþeから名前をとっており、ローマ神話で大地を司る神はテラ(Terra)に相当する。
それでは本題。惑星の日本語名はどこからきているのか。
まず水星・金星・火星・木星・土星について。これらは地球から肉眼で観察できる惑星であるのが一つ。そして古代中国に由来する五行説から名前をとっている。
五行説とは「この世の全ては、木・火・土・金・水の5つから成り立っている」というもので、肉眼で見られることができた5つの惑星に当てはめると以下のようになる。
水星は活発に動いているように見えており、流れる水のようだということで「水」
金星は明星といわれるように活発に輝く様子から「金」
火星は赤く輝くように見えていたので「火」
土星は少し黄色がかっているように見えたらしく「土」
木星は残ったものより「木」
(残ってしまったものから「木星」と名付けられた惑星には、なぜか申し訳ない気持ちがある。)
そして五行説は古代の日本に伝わっていき、そのまま流用したとされる。
天王星と海王星は始めに述べた、ウーラノスとネプトゥーヌスが象徴しているものの和名からとっている。当時は惑星だった冥王星も英語名のプルートが冥界を司る神だったので、「冥王星」と名付けられた。
最後に地球。初めて「地球」という言葉が記述されたのはイタリア人宣教師のマテオ・リッチが作った坤輿万国全図(こんよばんこくぜんず)という世界地図で、中国語に堪能だったことを武器に彼が作った造語だったというのが有力だ。
僕たちがふれているものには名前があり、その名前の由来を探っていくのも面白い。知見を広げて見て世界観を味わってみてはいかが?
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2021/5/12 16:00 |
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