「イトカワ」「リュウグウ」以外に探査された小惑星は?
昨今日本からロケットで打ち上げられた有名な小惑星探査機といえば、「はやぶさ」と「はやぶさ2」だろう。
いずれも2000年代以降に起こった出来事である。
小惑星探査は1989年に打ち上げられたNASAの木星探査機ガリレオから始まった。
ただしそれは目的地(木星)にたどり着くまでに通り過ぎる際に撮影されただけである。
撮影されたのがガスプラとイダ。火星と木星の軌道間に存在している小惑星帯に存在している小惑星で、それぞれ1991年と1993年に撮影されている。
ガスプラ(Gaspra)は1916年にネウイミン(ソビエト連邦出身の天文学者)が発見し、その名前はクリミア半島にあったリゾート地に由来しているとされる。
イダ(Ida, アイーダと呼称されることも)は1884年にヨハン・パリサ(オーストリアの天文学者)が発見。探査機ガリレオがイダを通り過ぎた際に撮影された写真から、イダは直径1.4kmの小さな衛星を持っていることが分かった。のちにその衛星はダクティルと名付けられる。
着陸して調査するというような、本格的な小惑星探査が始まったのは2000年。1996年に打ち上げられたNASAの探査機・NEARシューメーカーである。
NEARシューメーカーは1997年に小惑星マティルドに接近したあと、1999年に小惑星エロスを周回し調査する予定だった。しかし1998年に通信トラブルにより当初の予定から変更。2年後の2000年にエロスへの軟着陸(ソフトランディング)に成功し、周回することができた。ちなみにこの探査機の名前はNEARだったのだが、計画の主導者だったユージン・シューメーカーがエロス探査前に亡くなられたため、ミッション終了後に現在の名前になったとのこと。
それ以降、「小惑星表面に着陸して行う」探査といった形で現在(2020年11月)までに成功しているのは先ほど序盤で述べた2つとNASAの探査機であるオシリス・レックス(※)だ。そのほかは着陸せずに小惑星付近を周回することで衛星画像を撮影すること等による探査である。(例: 探査機ニュー・ホライズンズの小惑星APL探査, 探査機ドーンの小惑星ベスタ探査など)
(※)オシリス・レックスは小惑星ベンヌを探査し、2023年に地球へ帰還予定。
今後もおそらく小惑星を周回するだけでなく、着陸してサンプルを採取する・地下構造を調査するモノが増えていくだろう。そして宇宙の起源につながる発見が出ることに期待したい!
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2020/12/19 16:00 |
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