煮物の副産物 煮こごりの原理とは?
こんにちは。おうちで煮物を作ろうと思うと、味付けがうまくいかなかったり濃くなりすぎてしまったりして結局母に助けを求める大野です。
さて、今回は『煮こごり』についてお話していこうかなと思います。
そもそも、煮こごりとはいったいどういったものでしょうか?わからない方は、和風だしのゼリーを想像していただけるとイメージしやすいかと思います。
煮こごり(煮凝り、煮凍り)とは、ゼラチン質の多い魚介類や食肉類などの煮汁が冷えてゼリー状に固まったもの。また、この煮汁がゲル化する性質を利用して、煮込んだ材料ごと冷やし固めた料理の総称のことです。
引用:Wikipedia
あー今日は昨日のあまりの煮物でも食べようかな。なんて考えながら徐に冷蔵庫から取り出してみると煮汁がプルプルに固まっていた!
なんて経験みなさんも1回はあるのではないでしょうか?(笑)
偶然から生まれた料理も見た目の美しさから、今や和食屋さんでは副産物としてではなくメニューに載るほど人口に膾炙しています。
Q.凝固剤を使っていないにもかかわらず、ゼリーのように固まるのはなぜだろう?
- 原因は食材に含まれるたんぱく質に秘密があります!
魚介類や食肉類にはたんぱく質が多く含まれていて、その中でも溶解度(物質が溶ける限界量)の違いから「筋形質(筋漿)たんぱく質」「筋原線維たんぱく質」「肉基質(筋基質)たんぱく質」の三つに分類されます。
今回関係があるのは「肉基質(筋基質)たんぱく質」です。これは、コラーゲンやエラスチンなどの繊維たんぱく質(らせん構造)が含まれる不溶性たんぱく質です。生物の軟骨や皮に局在し全体の2~3%を占めています。
つまり、煮物を作る際に水と加熱することによって「肉基質(筋基質)たんぱく質」のコラーゲンの構造が解かれ分解されることで水溶性たんぱく質に変わり固まる仕組みです。牛筋肉を煮込んだ時にも同じ現象が起きます。
知識が着いたところで問題です!
この水溶性たんぱく質には皆さんにとても馴染みのある別名があります。それはいったいなんでしょう?
正解は、ゼラチンでした。
普段は生産の安定性を考慮して、たんぱく質を多く含む豚や牛などの家畜の骨や皮から抽出して作られています。最大の特徴として温めると溶け、冷やすと固まるゲル化を可塑的に行えるところにあります。
寒天やカラギーナンなどの凝固剤は植物性なので違いを理解しておきましょう!
たんぱく質の性質は、料理に限らず医療や工業の分野にも広く活用され、活躍の幅を広げています。
1を知り知識を深め100を学ぶことで多くのことを理解する
今後も心がけたいですね(笑)
お粗末。
(関連記事『煮こごりの「こごり」って何?』)
ジャンル | 生活 |
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掲載日時 | 2020/11/28 16:00 |
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