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ニュートンが「世界最後の魔術師」って称されたのはなぜ?

この記事のタイトルだと、かの偉大なる科学者“アイザック・ニュートン”の功績のうち、どれかが奇跡的・魔術的だと評されたのかとお思いになるかもしれない。

だが、この「世界最後の魔術師」の表すところは文字通りの「魔術師」、つまりはオカルトの信奉者という意味である。

 

アイザック・ニュートンは1642年、イングランド東部で誕生した。1661年にはケンブリッジの大学に入学、1669年には師の後を継ぎ大学の教授となる。この学生生活数年間の間に、万有引力の法則の基礎理論を見出している。(ただし、学内研究ではなくペスト流行のため避難した故郷での話だが)

それと並行して、望遠鏡改良のため光のスペクトル解析を行ったり、微分法の研究に励んだりと、学生時代から既に世紀の大科学者として辣腕をふるっていた。

 

だが、これは後の世が自然科学・物質科学として体系づけたものであり、ニュートンは森羅万象を修めようと多岐にわたり研究をしていた。

 

なぜなら、ニュートンは科学ではなく、「錬金術」を深めようとしていたからだ。

というより、当時は科学と錬金術が完全に分化しておらず、実験・研究・分析の過程は錬金術より生じた手法であり、つまり現代の視点では「錬金術」はオカルトだったが、17世紀末においては立派な学問なのである。

また、研究への熱意は、彼自身が熱心なプロテスタントであり、神の英知の再発見を旨としたからだ、という説もある。

 

だが皮肉なことに、彼の多くの発見や分析的手法により、いよいよ疑似科学的な「錬金術」と学問としての「科学」は袂を分かち、これ以降完全に錬金術は消えキリスト教感も大きく変化していくこととなる(当時から錬金術研究は国により禁止されつつあった)。

その実態を、マクロ経済学の始祖にしてニュートンの遺稿研究を行っていた経済学者ケインズが、1936年に「the last of the magicians」と称したのである。

 

すなわちアイザック・ニュートンはオカルトである錬金術を研究し現代科学の基礎を築いたことにより、オカルトの時代に自ら終止符を打ったのであった。

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執筆
QUIZ BANG編集部

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