月をテーマにした最初のSF文学作品は?
「月」「SF」のキーワードを与えたらあなたは何を連想するだろう?
月の裏にはウサギが住んでいてお餅つきをしながらお餅を食べているのか。
はたまた異星人が月の裏側に潜んで地球侵略を企んでいるのか。
もしや世界には公表されていない秘密基地が月にあるのか。
(古典的なものからぶっ飛んだものまで空想しちゃいました…。)
SF映画が好きな方々なら、人面の顔をしている月にロケットがささったカットが印象的な「月世界旅行(1902年公開)」を思い浮かべるだろう。
この映画はジュール・ヴェルヌ(フランスの小説家)の「月世界旅行」を原作にしつつ、H・G・ウェルズ(イギリスの小説家)の「月世界最初の人間」の要素を含めた作品だ。
ヴェルヌとウェルズは両方ともSFの父と呼ばれている。(クイズのネタにされることも…)
他にも月をテーマにしている文学作品として「ドリトル先生月へゆく」・「おやすみなさい おつきさま」や「竹取物語(かぐや姫)」などが挙げられる。
よりSFらしく書かれている文学だと、ヨハネス・ケプラー(ドイツの天文学者)が執筆した「夢」(別名「ソムニウム」)がある。
では初めて月に対して想像を膨らませて作られた文学作品とは何か?
それは2世紀ごろの古代ローマ時代までさかのぼる。現在のシリアで生まれたギリシャの風刺作家・ルキアノスが書いた「本当の話」(英語表記: “A True Story”)。
タイトルには「本当」といっておきながら、書かれているのはデタラメな旅行記。それまでに書かれていた旅行記のパロディである。その中には月世界に行っていることも叙述している。
書かれた当初は広まらなかったが、望遠鏡の発明により天体観測の技術が向上した17世紀ごろに英訳されたものが出版されて、「月世界」に対する興味が上がったことに貢献したとされる。皮肉にも月には文明や生命体が存在せず、「本当の話」は架空の空言だということを証明されたのかもしれないが…。
今回の締めにクイズを1問。
史上初のSF文学といわれている「本当の話」と「イカロメニッポス」。「本当の話」の著作はルキアノスですが、「イカロメニッポス」の著者は?
正解はルキアノス。
SFの元祖、恐るべし…。
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2020/9/11 16:00 |
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