力石徹とラオウの共通点とは?
漫画には主人公よりも印象に残るライバルキャラクターが登場する。
タイトルに挙げたボクシング漫画『あしたのジョー』の力石徹、格闘漫画『北斗の拳』のラオウはまさにその代表例として挙げられる2人である。ともに主人公よりも人気があったと言っても過言ではなく、ラオウにいたっては『北斗の拳』のキャラクター人気投票で1位にもなったほどである。
この一見共通点のなさそうな2人。実は、ともにあるイベントが開催されているという共通点があるのだ。
そのイベントとは何か?それは作品内で亡くなった彼らのお葬式である。しかも作品内で行われたものとかではなく、実際に施設を借りて参列者を集めて行ったものである。
力石徹の葬儀は1970年3月24日、講談社の講堂で執り行われた。この葬儀は同年4月に予定されていたアニメ放送のファンイベントとして開催されたもので、アニメ主題歌のライブやボクシングの試合も行われるといった、ショーとしての側面もあったが、祭壇や遺影がちゃんと飾られ、ファンによるお焼香や実際のお坊さんによる読経も行われており、お葬式としても立派なものであった。
ラオウの葬儀は「昇魂式」というタイトルで2007年4月18日、高野山東京別院で執り行われた。この葬儀も近くに控えた映画公開のためのイベントとして開催されたものであったが、参加者も喪服を着て参加するように指示もあり、本格的な葬儀に近いものとして開催された。葬儀委員長は歌手の谷村新司、他に『北斗の拳』の原作者・武論尊、映画でラオウの声を演じた俳優の宇梶剛士らが参列し、また『北斗の拳』のファンである格闘家の角田信朗がラオウのための演舞「征遠鎮」などのパフォーマンスも行われている。
力石の葬儀には800人、ラオウの葬儀には3000人ほどのファンが詰めかけたという。ラオウにいたっては外国のファンも訪れたらしい。
これだけのファンが集まったということは、彼らがキャラクターの枠を越えて、一人の人間としていかに愛されたかの証拠であろう。
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2020/8/30 16:00 |
京都在住。学生時代にクイズ研究会に所属したことで本格的にクイズを始める。2007年、クイズ作家となり、テレビやネットなど様々な媒体でクイズを提供。
幼少期に読んだ『コロコロコミック』の創刊号をきっかけに漫画にハマり、40年以上経った現在でも漫画を月に100冊近く読むほどの漫画好き。その縁から漫画やアニメ・ゲームといったジャンルの問題を多く作成しており、その数は2万を超えている。
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