初めて発見された際に「ジョージの星」と名付けられた太陽系惑星は?
太陽系惑星の覚え方といえば「水金地火木土天海」。それぞれの英語名は “Mercury(マーキュリー), Venus(ヴィーナス), Earth(アース), Mars(マーズ), Jupiter(ジュピター), Saturn(サターン), Uranus(ウラヌス), Neptune(ネプチューン)” である。ちなみに英語圏での覚え方は “My Very Eager Mother Just Served Us Noodles.”(他にも例あり)
前フリはここまでで、早速説明しよう。初めて発見された際に「ジョージの星」と名付けられたのは天王星である。では、そのいきさつはどんなものなのか。
天王星は紀元前の時から観測されていたことが、古代ギリシャの数学者・天文学者であるヒッパルコスの記録から推定される。
実際に観測の記録が残っているのが、ジョン・フラムスティード(イギリスの天文学者)やピエール・シャルル・ルモニエ(フランスの天文学者)などだ。ただしこれらの記録はいずれも “一つの恒星”として認識されていた。
1781年3月にドイツ出身のイギリス天文学者ウィリアム・ハーシェルが、自身で作った望遠鏡で “新しい天体”を観測した。その際ハーシェルは「新しい彗星を発見した」とイギリスの王立協会で発表した。
その後他の天文学者たちが観測すると、彗星とされていた新しい天体は土星のはるか遠方で、円に近い楕円軌道をしていることから惑星ではないかと推察された。このことを受けてハーシェルは1783年に新しい天体が惑星であることを確信した。
ハーシェルは支援者である当時のイギリス国王・ジョージ3世にちなんで、この新惑星を「ゲオルギウム・シドゥス」、すなわちジョージの星と名付けた。
他の科学者たちが挙げた新天体の候補名には「ハーシェル」「ネプチューン」「ウラヌス」などがあった。
ハーシェルが名付けた惑星名はイギリス以外に浸透しなかった。1850年にイギリスの王立航海年鑑局がより浸透していた「ウラヌス」を新惑星の名前に変更した。その結果「ウラヌス」が全世界に浸透していった。
ちなみにウラヌスが「天王星」と翻訳されたのは中国が最初で、その名称は日本・韓国・ベトナムへ広がったとされる。
今回紹介した天王星と関連して、「天王星や海王星がなぜ青っぽく見えるのはなぜ?」も参照していただきたい。
ジャンル | 科学 |
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掲載日時 | 2020/6/6 16:00 |
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